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「退職を伝えるタイミングや言い方が分からない」
「引き止められたら、どう断ればいいんだろう」
「辞めた後も職場と良い関係を保てるか不安」
退職を考えている看護師さんの多くが、こんな不安を抱えていると思います。
退職を切り出すのが怖くて、ずっと言い出せないでいます。引き止められたら断れる自信もないし…。
私自身、これまで4回退職を経験してきました。毎回引き止めはありましたが、すべて円満に退職できています。辞めた後も前の職場とは良好な関係が続いていて、今でも連絡を取り合うこともあります。
この記事では、私が実際に経験した退職の伝え方と、引き止められたときの対処法をお伝えします。
退職を伝える前に準備すること3つ
辞める理由を「前向きな言葉」に整理する
退職を伝える前に、まず「なぜ辞めるのか」を自分の中で整理しておきましょう。
ただし、ここで大切なのは「本音をそのまま伝えない」ことではなく、「本音を前向きな言葉に言い替える」ことです。
「夜勤がつらい」「人間関係が嫌だ」「給料が低い」という気持ちは、退職の動機として十分あり得るものです。でも、それをそのまま伝えると、「うちへの不満ですよね」と受け取られてしまいます。
「現職でこういう課題を感じたから、次はこういうところで働いてスキルアップしたい」という形で伝えると、前向きさが伝わり、職場も「頑張ってね」と送り出しやすくなります。
退職希望日を決めてから伝える
退職の意思を伝えるとき、「できれば辞めたいと思っているのですが…」という曖昧な言い方はおすすめしません。
「○月末で退職したいと考えています」と、具体的な退職希望日を決めてから伝えましょう。日付が決まっていると、職場側も後任の準備や引き継ぎのスケジュールを組みやすくなります。
私は毎回、退職希望日の4〜5ヶ月前に上司へ伝えるようにしていました。余裕を持ったタイミングで伝えることで、職場への負担を最小限にできますし、引き継ぎもしっかり行えます。
最初に伝える相手は直属の上司
退職の意思は、必ず直属の上司に最初に伝えましょう。
同僚や先輩に先に話してしまうと、噂として広まって上司の耳に入るケースがあります。そうなると、「なぜ自分より先に他の人に言ったのか」と信頼関係にヒビが入ることも。
「上司→職場→同僚」の順番を守ることが、円満退職への第一歩です。
【退職の伝え方】大切なのは前向きな退職理由
産業保健師を辞めたとき
産業保健師として働いていたとき、直属の上司が体調を崩して入院することがありました。そのとき、医療的な知識や病院のことがよく分からず、具体的な支援ができなかったことに無力感を覚えました。
このときの経験が、臨床に出ることを決めた理由のひとつです。
退職を伝えたときは、こんな形で話しました。
「上司が入院されたとき、私には医療的な知識や病院での支援方法が分からなくて、力になれませんでした。自分には臨床の経験と知識が足りないと感じています。だから、一度臨床で学び直したいと思っています。」
「うちへの不満」ではなく、「自分の課題と次のチャレンジ」として伝えたことで、職場も応援してくれる形で送り出してもらえました。
訪問看護を辞めたとき
正直に言うと、訪問看護を辞めた一番の本音は、オンコールの多さへの疲れでした。深夜や休日の呼び出しが続く生活に、体も心も限界を感じていたんです。
でも、「オンコールがしんどいから辞めます」とそのまま伝えることはしませんでした。
訪問看護の現場で利用者さんと関わる中で、「病気になってからケアするより、もっと早い段階で関われたら」という思いが強くなっていたのも、本当のことです。在宅医療を通じて、予防の大切さを改めて実感していました。
退職を伝えたときはこんな形でした。
「在宅看護をしていて、予防の大切さを強く感じるようになりました。もっと広く、多くの人に関わっていきたいという気持ちがあります。地域包括支援センターで、予防の視点から地域を支える仕事がしたいと思っています。」
本音はオンコールへの疲れ。でも、次のステップへの思いも本物でした。どちらも嘘ではありません。職場に伝えるときは、前向きな理由を選んで伝える。それだけで、受け取られ方がまったく変わります。
本音を隠す必要はないけれど、伝える言葉は選べます。「辞める理由」と「職場に伝える理由」は、必ずしも同じじゃなくていい。どちらも本当のことの中から、前向きな部分を選ぶだけです。
共通していたのは「現職への不満」ではなく「次へのチャレンジ」
2つの退職に共通しているのは、「辞める理由が現職への不満ではなく、次のステップへのチャレンジとして伝えられた」という点です。
もちろん、辞めたくなった背景にはさまざまな気持ちがありました。でも、退職の場でネガティブな理由を並べても、誰も得しません。
「この職場で学んだことを活かして、次はこうしたい」というストーリーで伝えることが、円満退職の一番のコツだと思っています。
引き止められたときの対処法
「考え直してみない?」への答え方
4回の退職でいずれも引き止めはありました。「考え直してみない?」「もう少し続けてみたら?」という言葉をかけてもらうことは、ありがたいことでもあります。
そのときに使っていた言葉が、「すみません、ありがとうございます」でした。
感謝の気持ちは伝えながら、でも意志は変えない。これを穏やかに、繰り返し伝えることが大切です。「引き止めてくれてありがとう、でも決めました」というスタンスを崩さないことが、最終的に相手に「本気なんだな」と伝わります。
条件を提示されたときの対処法
引き止めの手段として、「給料を上げる」「勤務形態を変える」などの条件を提示されることがあります。
このとき大切なのは、「条件が変わっても、根本的な理由は変わらない」ということを明確に伝えることです。
「ありがとうございます。でも、給与の問題ではなく、自分のスキルアップのために次のステップに進みたいという気持ちが強いので」という形で、条件交渉の土俵に乗らないことが円満退職のポイントです。
「給料上げるから残って」って言われたら、ちょっと揺らいでしまいそうで怖いです。
何度引き止められても意志を変えない
退職希望日を伝えてから実際に退職するまでの数ヶ月間、何度か「考え直してみない?」という話はありました。
そのたびに、穏やかに、でもはっきりと「意志は変わりません」を伝え続けました。
感情的になったり、強い言葉を使う必要はありません。「すみません、ありがとうございます。でも決めています」という言葉を、淡々と繰り返すだけで十分です。
引き止めに揺らいでしまうと、「もう少し頑張れるかも」「ここで辞めるのは悪いかも」と自分も迷い始めてしまいます。退職を決めたら、その意志を自分の中でも固め続けることが大切です。
辞めた後も良好な関係が続く理由
ネガティブなことは言わない
退職が決まってから、「辞めるから言えること」として不満を言う人もいます。言いたいこともたくさんあると思います。
でも私は、退職時にネガティブなことはなるべく言わないようにしてきました。
理由はシンプルで、「いつ、どこで、誰とまた再会するか分からない」から。医療の世界は意外と狭く、以前の職場の人と別の現場で再会することは珍しくありません。
辞めるときに悪い印象を残してしまうと、その後の人間関係やキャリアに影響する可能性があります。言いたいことがあっても、グッとこらえる。これが後の自分を助けることになります。
最後まで誠実に働く
退職が決まると、「もうすぐ辞めるし」という気持ちから、仕事への向き合い方が変わってしまう人もいます。
でも最後まで誠実に働くことが、円満退職と良好な関係維持の大前提です。
引き継ぎをしっかり行う、残った業務を丁寧に片付ける、感謝の気持ちを言葉にして伝える。これらは当たり前のことのように見えて、実は意外とできていない人も多いです。
「最後の印象」は、その後の関係にずっと残ります。辞め際こそ、丁寧にしましょう。
【まとめ】円満退職は「辞め方」で決まる
4回辞めて思うのは、「どう辞めるか」はその後のキャリアにじわじわ影響するということ。辞め際を丁寧にした分だけ、次のスタートが気持ちよく切れます。
4回の退職を経験して感じるのは、「どう辞めるか」がその後の人生にじわじわ影響するということです。
この記事のポイントをおさらいします。
- 退職理由は「前向きな言葉」に整理してから伝える
- 退職希望日を決めてから、直属の上司に伝える
- 4〜5ヶ月前の余裕を持ったタイミングが理想
- 引き止めには「ありがとうございます、でも決めています」で対応
- 条件を提示されても、根本の理由は変わらないことを伝える
- ネガティブなことは言わない
- 最後まで誠実に働く
「辞めた後も良好な関係が続いている」というのは、こういった積み重ねの結果だと思っています。
転職は終わりではなく、次のスタートです。辞め方ひとつで、その先のキャリアが変わることもあります。
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