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【訪問看護の1日】元病棟ナースが体験した訪問看護師のリアルな仕事の流れ

【訪問看護の1日】元病棟ナースが体験した訪問看護師のリアルな仕事の流れ

/ 28 min read

目次
夜勤ナースさん 夜勤ナースさん

訪問看護師って、1日どんなふうに働いているの?
病棟と比べて、忙しさはどう違うんだろう?
夜勤なしの働き方として気になるけど、具体的なイメージが湧かない…

そんな疑問を持っている看護師さんは多いと思います。

私自身、結婚をきっかけに病院を退職して、訪問看護ステーションで働いていた経験があります。在宅看取りや慢性疾患の支援など、在宅医療の現場で日々利用者さんと関わってきました。

この記事では、訪問看護師の1日の流れ、1件あたりの訪問の中身、地味だけど大変だったことのリアルをお伝えします。

「夜勤なしで働きたい」「訪問看護に興味があるけど、実際の仕事の流れが知りたい」という看護師さんは、ぜひ最後まで読んでください。

訪問看護ってどんな仕事?

訪問看護師の主な役割

訪問看護師の仕事、なんとなく聞いたことはあっても、具体的に何をするのかは意外とイメージしづらいですよね。

訪問看護師は、利用者さんのご自宅を訪問して、医療的なケアや療養のサポートを行う仕事です。主な業務は以下のとおりです。

・バイタルチェックと健康状態の観察
・服薬管理、点滴、注射などの医療処置
・褥瘡や創傷のケア
・排便コントロール(摘便、浣腸など)
・在宅看取りや終末期ケア
・医療機器(CVポート、ストマ、人工呼吸器など)の管理
・家族への介護指導や精神的サポート
・主治医、ケアマネジャー、ヘルパーなどの多職種連携

病院と違って、生活の場でケアを行うのが訪問看護の特徴です。利用者さん本人だけでなく、ご家族も含めて支えるのが日常の仕事になります。

ステーションの種類(医療保険型・介護保険型)

訪問看護ステーションって、実はどこも同じというわけではないんです。

ステーションによって利用者層が大きく違います。

医療保険が中心のステーション
難病、障害、終末期、医療依存度の高い利用者さんが多くなります。呼吸器管理、CVポート管理、頻回な医療処置などが日常的にあります。

介護保険が中心のステーション
高齢者の健康管理、内服確認、入浴介助の補助などが中心になります。医療処置の頻度は比較的少なめです。

私が働いていたステーションは、医療保険と介護保険どちらの利用者さんもいる混合型でした。在宅看取り、CVポート、ストマ管理など医療依存度の高いケースもあれば、慢性疾患の高齢者さんの定期訪問もあり、対応の幅が広かったです。

転職前にステーションの利用者の内訳を確認しておくと、自分の経験やスキルに合った職場を選びやすくなります。

訪問看護の利用者層

訪問看護で関わる利用者さんは、年齢層も病態も本当にさまざまです。

・高齢で慢性疾患のある方(高血圧、糖尿病、心不全など)
・がん末期で在宅看取りを希望される方
・神経難病で人工呼吸器を使用している方
・脳血管疾患の後遺症で生活支援が必要な方
・小児医療的ケア児
・精神疾患で生活管理が必要な方

ステーションによって得意な領域が違うので、自分が関わりたい分野と合っているかを事前に確認しておくのがおすすめです。

私が病院から訪問看護に転職した理由

Ryo Ryo

「なぜ病棟から訪問看護に?」とよく聞かれます。理由は2つありました。

私が訪問看護に転職した一番のきっかけは、結婚を機に夜勤のない生活に切り替えたかったことでした。夜勤中心の生活から朝型の生活に変わったとき、偏頭痛が改善し、肌の調子もよくなって、「夜にしっかり眠ること」の大切さを実感したんです。

それに加えて、もともと在宅看護に興味があったことも大きな理由でした。病棟では、退院前カンファレンスや退院指導の場面で「家に帰ってから、この方はどんな生活を送るんだろう」と気になることが多かったんです。

限られた時間の中で、患者さんやご家族とゆっくり話す時間が取れないこともありました。「もっと生活に寄り添った看護がしたい」という気持ちが強くなり、訪問看護への転職を決めました。

訪問看護の1日のスケジュール

朝の朝礼から1件目訪問まで

訪問看護の朝は、思っているより慌ただしいです。

私の場合、1日はだいたいこんな流れでした。

・8:30 出社、メールやFAXのチェック
・8:45 朝礼(その日の訪問予定、申し送り、利用者の状態共有)
・9:00 訪問の準備(必要な物品、記録の準備、車のチェック)
・9:30 1件目訪問へ出発

朝礼では、その日に訪問する利用者さんの状態を共有したり、前日のオンコール対応の報告があったりします。「昨日の夜、〇〇さんから電話があって…」という申し送りがあると、その日の訪問でも引き継いだ情報を意識しながらケアにあたります。

朝の準備の段階で、訪問先の順番や移動時間を頭に入れておかないと、1日の流れが崩れていきます。スケジュールを組み立てる力が、訪問看護師には欠かせません。

訪問の合間と昼休み

訪問と訪問の間、車の中で過ごす時間が想像以上に長いんです。

・10:00 1件目終了、車で移動
・10:30 2件目訪問
・11:30 2件目終了、移動
・12:00 3件目訪問
・13:00 昼休み(車内で食べることが多かった)

私が働いていたのは地方だったので、事務所に戻るだけでも片道20分以上かかることが多く、移動時間がもったいなくて、昼休みは車内でお弁当を食べることがほとんどでした。コンビニで買ったおにぎりを車内でかき込む日もあれば、訪問先の近くで少しゆっくり食べる日もあります。

「地方の訪問看護は、移動時間がとにかく長い」というのは、転職前にぜひ知っておいてほしいポイントです。1日の中で、運転している時間がかなりの割合を占めます。

訪問の合間の移動時間は、気持ちを切り替える大切な時間でもあります。前の利用者さんのケアで気になることがあった日は、移動中に頭を整理して、次の訪問に集中するように心がけていました。

午後の訪問と帰社後の記録

午後は午前と少し違う動き方になります。

訪問が続くのは同じですが、私が働いていたのは地方だったので、訪問先までの移動時間が長く、事務所に戻らず直帰することも多かったです。

・14:00 4件目訪問、終了後そのまま直帰の日も
・15:00 5件目訪問
・16:30 訪問終了、直帰または帰社
・17:30 退勤(記録は帰宅後に自宅で続きを書く)

私の場合、1日の訪問件数は4〜6件程度でした。利用者さんの状態や訪問内容によって、1件あたり30分のときもあれば、90分かかるときもあります。

記録はタブレットで入力する仕組みでしたが、訪問の合間や事務所に戻ってから書く時間が取れず、帰宅後に自宅で記録の続きを書くことも日常的でした。「家に帰っても仕事から完全には離れられない」というのは、訪問看護のリアルな部分です。

多職種との連携

訪問看護=一人で動く仕事、というイメージを持っている人は多いと思います。

でも実は、訪問看護師は多職種と連携する場面がとても多いんです。

主治医への状態報告、ケアマネジャーとのケアプラン共有、ヘルパー事業所との情報交換、リハビリスタッフとの連携など、1日の中でも何度か連絡を取り合います。

特にケアマネジャーへの報告は、利用者さんの状態が変化したときには欠かせません。「最近、食欲が落ちてきている」「服薬管理が難しくなってきた」など、生活全体に関わる変化を共有することで、ケアプランの見直しにつなげていきます。

訪問は一人で行きますが、利用者さんを支えているのはチーム全体。この感覚は、病棟とは違う訪問看護ならではの働き方です。

訪問看護で気になった労働環境のこと

Ryo Ryo

求人票には載らない、現場の地味なリアルです。これから訪問看護に転職する方には、ぜひ知っておいてほしいところ。

ここまで1日の流れを書いてきましたが、求人票にはあまり載らない「労働環境のリアル」もお伝えしておきます。これから訪問看護に転職する人には、ぜひ知っておいてほしい部分です。

通話料は自腹
ケアマネジャーや病院、ご家族への連絡は、自分の携帯電話から。通話料は完全に自腹でした。「給料に込み」という考え方らしいです。私はかけ放題プランに入っていましたが、業務のために大手キャリアを選んでいた感覚です。利用者さんやご家族と頻繁にやり取りするので、月単位で見ればそれなりの負担になります。

自家用車での訪問もあり、事故時の修理代は自己負担
公用車の台数に限りがあって、自家用車で訪問することも多かったです。ガソリン代は1キロあたり◯円という形で支給されていましたが、事故を起こした場合の修理代は自己負担。「自家用車だからね」という会社の考え方でした。仕事で使っているのに、と思いましたが、これがそのステーションのルールでした。地方だったので駐車場代はかかりませんでしたが、都市部のステーションだと駐車場の扱いも確認しておいたほうが安心です。

Bluetoothは時短のために必須
ながら運転は法律で禁止されているので、移動中の電話対応にはBluetoothが必須でした。安全面の意味ももちろんありますが、「車を止めて電話している時間がない」というのが正直なところ。私の場合は自分のカーナビにBluetoothがついていたので、それを使っていました。

これらは、ステーションによって対応が大きく違う部分です。転職前に、通信費・車両関連・備品の支給について、必ず確認しておくことをおすすめします。

訪問看護の1件あたりの流れ

訪問前の準備

1件の訪問にどう備えるかで、その日の流れは大きく変わります。

訪問前の準備は、思っている以上に大切です。

・利用者さんのカルテを確認(前回の状態、注意事項)
・必要な物品を準備(処置に応じて)
・記録ノートやタブレットの準備
・車に乗り込み、ルート確認

特に医療処置がある利用者さんの場合、必要な物品を忘れると大変です。事業所に戻って取りに行く時間はないので、出発前のチェックは念入りに行います。

訪問中のケアと観察

訪問中の時間は、限られた中でやることが多いです。

・あいさつと体調確認
・バイタル測定
・必要な医療処置やケア
・服薬確認、生活状況の聞き取り
・ご家族への声かけ、状況確認
・記録の一部を訪問中に入力

1件あたり30〜60分の中で、これだけのことをこなしていきます。利用者さんの会話を大切にしながら、観察や処置も同時並行で進めていく感覚です。

ご家族からの相談や愚痴を聞く時間も、実は訪問看護では重要な業務のひとつ。「ご家族の精神的な支え」も、訪問看護師の役割の一部だと感じていました。

訪問後の記録と報告

訪問が終わったあとも、やることがあります。

・訪問内容の記録(タブレットに入力)
・状態変化があれば主治医・ケアマネへの連絡
・次回訪問への申し送り事項の整理
・必要に応じて家族への電話連絡

記録はタブレットで入力する仕組みでしたが、訪問中や移動中に書ききれない部分は、帰社後や帰宅後にまとめることになります。後でまとめてやろうとすると、夕方や夜になってドッと作業が残ってしまいます。

訪問看護の1日で大変だったこと

移動と時間管理のシビアさ

「訪問の合間に移動するなら、余裕ありそう」と思っていませんか?

実は、移動と時間管理が訪問看護のシビアな部分です。

訪問先は地域に点在しているので、車での移動時間が積み重なります。渋滞、道に迷う、駐車スペースが見つからない、こうしたトラブルが1日に何度も起きると、後半の訪問に影響が出ます。

「次の訪問に間に合わせるために、ケアを急ぐ」という場面もあり、利用者さんとゆっくり関わりたいのに時間に追われる、というジレンマを感じることもありました。

記録の量と帰宅後の業務

正直、記録の量は転職前にイメージしていたより多かったです。

訪問看護の記録は、思っている以上に量があります。

訪問記録、主治医への報告書、ケアマネジャーへの報告、ステーション内での共有事項など、書類仕事が日々積み重なります。月末には実績報告など、定期的にまとまった事務作業もあります。

私の場合、訪問の合間や事務所に戻って記録する時間がなかなか取れず、帰宅後に自宅で記録の続きを書くことも日常的でした。タブレットで入力できるとはいえ、家に帰ってまで仕事のことを考える時間が増えるのは、精神的にも負担でした。

「日中の訪問は楽しいけど、家に帰ってからも記録が残っている」というのは、訪問看護のリアルな働き方のひとつです。

利用者層によって難易度が変わる

訪問看護は「日によって、利用者さんによって、大変さの体感がガラッと変わる」のが正直なところです。

利用者さんによって難易度が大きく違うんです。

医療依存度が高い方(CVポート、人工呼吸器、ストマなど)の場合、1件あたりの処置時間が長くなり、観察項目も多くなります。逆に、慢性疾患で安定している高齢者さんの場合、バイタルチェックと服薬確認が中心で、比較的シンプルに終わります。

また、ご家族の対応力にも差があります。手技を覚えるのが難しいご家族や、不安が強くて頻繁に連絡をくれるご家族の場合、ケアの負担に加えて精神的なサポートの負担も大きくなります。

利用者さんの組み合わせによって、1日の体感がガラッと変わるのが訪問看護です。

なお、訪問看護で大変だったオンコール対応については、別記事で詳しく書いています。気になる方はそちらもご覧ください。

訪問看護に向いている人・向いていない人

向いている人の特徴

ここからは、訪問看護に向いている人・向いていない人の特徴をまとめます。

訪問看護に向いているのは、こんな人です。

・利用者さんとじっくり関わるのが好き
・自分で考えて判断するのが得意
・運転が苦じゃない
・時間管理ができる
・生活全体を見る視点を持てる
・多職種とのコミュニケーションが取れる
・体力にある程度自信がある

「病院では時間が足りなくて、もっと丁寧に関わりたかった」と感じていた人には、ぴったりの環境です。

向いていない人の特徴

逆に、向いていない人もいます。

・指示を受けて動くほうが安心
・運転が苦手、または運転免許がない
・記録などの事務作業が苦手
・一人で動くのがストレス
・予測できない呼び出し(オンコール)に強いストレスを感じる
・チームで処置を分担する働き方が好き

訪問看護は、自分一人で利用者さんの自宅に入り、判断して動く場面が多い仕事です。「誰かに相談しながら動きたい」というタイプには、ストレスになる可能性があります。

【まとめ】訪問看護の1日は変化に富んでいて、自分のペースを掴むのが鍵

訪問看護の1日は、病棟とはまったく違うリズムで動きます。

この記事のポイントをおさらいします。

・訪問看護師は利用者さんの自宅で医療ケアと生活支援を行う仕事
・1日4〜6件の訪問を、移動・記録と組み合わせてこなす
・ステーションの種類や利用者層によって、業務内容が大きく変わる
・移動と時間管理、記録の多さは想像以上にシビア
・多職種との連携が日常的にある
・自分で判断する力と、生活を見る視点が求められる

私自身、訪問看護を経験して感じたのは、「1日の中で自分のペースを掴めるかどうかが、続けられるかの分かれ道」ということです。慣れるまでは時間に追われる感覚もありましたが、慣れてくると、自分なりの効率的な動き方ができるようになります。

訪問看護は、夜勤なしで働きたい看護師にとって魅力的な選択肢のひとつです。ただし、ステーションによって働き方や利用者層が大きく違うので、自分に合った職場を見つけることが何より大切です。

「夜勤をやめたい」「もっと生活に寄り添った看護がしたい」と思ったら、まずは情報収集から始めてみるのがおすすめです。

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